「レシーとかちラリー」北海道・十勝で始まったスマートレシートの新たな挑戦

Club-TEC

2021年5月30日

東芝テック株式会社 ソリューション紹介

スマートレシート

2020年7月、北海道・十勝を舞台にスタートした地域活性プロジェクト「レシーとかちラリー」に参加する地元企業は16社131店舗。地域を挙げた取り組みにより、社会インフラとしてのスマートレシート利用が実践されています。LPガス利用明細の電子化など、レシート電子化にとどまらない、新たな可能性を検証するプロジェクトを紹介します。

地域企業との連携で広く展開。消費者に多様なメリットを提供

日本有数の穀倉地帯として知られる北海道・十勝平野。この広大なエリアを舞台にスマートレシート普及促進プロジェクト「レシーとかちラリー」は、2020年7月22日~2021年1月31日の約6カ月間実施されました。その狙いをスマートレシート推進室の小玉 美菜はこう説明します。
「点ではなく、面として広く展開することで、消費者の皆様には買い回りに利用できる利便性、企業様には相互送客やデータの相互利用というメリットが生まれます。それが広範囲のエリア単位で普及を目指している理由です。また、地域の活性化という大きな課題に微力ながらも協力したいという思いもありました」

「レシーとかちラリー」公式ホームページ
「レシーとかちラリー」公式ホームページ https://www.smartreceipt.jp/tokachirally/

エリアを前提としたスマートレシート普及プロジェクトは、2018~2019年の沖縄エリアに続き2例目。スマートレシートの可能性を理解する参加企業の存在に加え、商圏が確立し、商圏外での買い回りが少ないことも両エリアを選定した理由だったといいます。「レシーとかちラリー」の参画企業は、十勝エリアで事業を展開する16社131店舗にも及びます。
「半年間のプロジェクト期間中は、1万人のスマートレシート利用を目標としてメディア掲載やチラシ・ポスターなどの販促ツール展開を行ったほか、クーポン発行や各種キャンペーンを行いました。中でも特に反応が大きかったのは、参加店舗間の買い回り促進を目的に展開した「レシーとかちラリー 買い回りキャンペーン」です。11月に開始した同キャンペーンは、同月の新規登録者が前月の2倍になるなど、利用者の拡大にも大きな成果を挙げています」

レシーとかちラリー 買い回りキャンペーン

レシーとかちラリー 買い回りキャンペーン
ゲーム画面 イメージ

実践で効果検証が進む。多様な販売促進機能

「レシーとかちラリー 買い回りキャンペーン」では500円以上の買い物1回ごとにキャンペーン参加権が得られ、利用者は電子レシート上のボタンをタップし、キャンペーン画面上ですごろくにチャレンジします。
「これまでの当社のビジネスと異なり、スマートレシートの場合、SNSなどで利用者の反応がダイレクトに聞こえてきます。やはりそれが大きな刺激になりますね。消費者の方々は、レジの待ち時間短縮や紙レシート削減、非接触というメリットのほか、買い物を食費、日用品、衣類など9品目に自動仕分けする集計機能に注目されることが多いようです。また、参加企業様からは顧客のスマホにクーポン発行を行える点が最も高く評価されています」

小玉 美菜

スマートレシート推進室
小玉 美菜

今回、初めて店舗以外でもスマートレシートの仕組みが活用されている点もポイントです。スマートレシートはPOSレジや自販機との連携だけでなく、データをセンターに送信することでさまざまなシステムと連携することが可能です。LPガスを販売する熱原帯広株式会社様は、従来の検針員による目視から通信回線を利用したリモート検針に切り替えていますが、それに伴い、毎月の請求明細を各戸に郵送する新たな手間が生じていました。この課題を解決するために同社が選択したのはスマートレシート活用です。リモート検針の収集データは社内サーバーを経由し、スマートレシートデータセンターにアップロードされ、利用明細がスマートレシートとして契約者のスマホに届く新たな仕組みが実現しています。

この仕組みを利用することで、例えば鉄道などの乗り物の乗降やフィットネスクラブのマシン利用状況などの「コト」までデータとして把握することも可能になります。北海道・十勝で始まった取り組みは、近未来の暮らし方の第一歩になるのかもしれません。

レシーとかちラリーの参画企業様

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