第23回自動認識総合展レポート

Club-TEC

2022年3月3日

映像検索ソリューション

東芝テックの今回の展示コンセプトは、スマート&シームレスソリューション for スマイル。店舗が直面する販売機会ロスと食品ロスという二つの課題を起点に、データ可視化により、店舗・物流・製造サプライチェーンに関わる人々が笑顔になる製品・ソリューションが紹介されました。

ジャストインタイム納品をRFIDで実現

第23回自動認識総合展が10月6日~8日、東京ビッグサイトで開催されました。東芝テックの今回の展示コンセプトは、「スマート&シームレスソリューション for スマイル」。システム・デバイス活用(スマート)、クラウドによるデータ連携(シームレス)により、「サプライチェーンに関わるすべての人に笑顔を」がテーマです。

世界的に食品ロスの問題解決が強く求められる中で、店舗は品切れに伴う販売機会ロスと、過剰在庫のリスクに直面しています。この欠品と過剰在庫という二つの課題の解決策として挙げられるのが、POSデータの売れ筋分析などに基づくジャストインタイムの配送です。その実現には、物流や製造を含むサプライチェーン全体の取り組みが不可欠です。今回の展示は、そのような観点から、物流、製造現場の生産性向上、データ可視化に貢献する製品・ソリューションが数多く紹介されました。

物流現場への提案から見ていきましょう。まず挙げられるのが、入出庫の煩雑化に伴う検品ミスの問題です。その解決に大きな役割を果たすのが、開梱することなく箱の中の商品を検品したり、ハンガーラックごと検品が行えるRFIDの活用です。

東芝テックブースでは、ハンディ型、据え置き型のほか、三脚に取り付けることで簡易ゲート型としても利用できる最新鋭のRFIDリーダー、UF-3000による物流センターの業務デモンストレーションを実施。UF-3000と物流向けRFIDパッケージシステムRF Logispert(アールエフロジスパート)の連携により、RFIDによる入出庫管理の仕組みを低コストかつ短期間で構築することが可能です。

一方、検品ミスの原因究明には、映像による作業の見える化が大きな意味を持ちます。Webカメラで記録した作業映像から見たいシーンを素早く検索・再生する窓口コミュニケーションレコーダーCo-Co Reco(ココレコ)は、検品ミス防止だけでなく、従業員をトラブルから守る観点からも注目されています。

  • 映像検索システム
    映像検索システム
  • 画像検品システム
    画像検品システム
  • 物流什器管理システム
    物流什器管理システム

入出庫の煩雑化は、物流什器の管理の難しさにも直結します。RF BellaPassa(アールエフベラパッサ)は、物流センター、エリアごとの什器出入をRFIDで把握することで所在管理がスムーズに行えるようになります。

330は、コンパクトに設計されているものの、導入する際は、設置スペースの正確な確認が必要

自動釣銭機がPOSレジの用途拡大に貢献

入出庫検品では、メーカーごとに表示形式が異なる賞味期限のチェックなど、目視に頼らざるを得ない作業が少なくありません。こうした中、入出庫検品業務の大幅な省力化につながるソリューションとして注目されているのが、画像認識AIの活用です。参考出展されたAI Camera-OCRは、メーカーにより表示位置も表記ルールも異なる賞味期限・商品コード情報を画像認識AIにより自動で読み取るソリューション。手入力による入力ミス回避も含め、業務の効率化に大きな役割を果たすことが期待されています。

同じく参考出展ながら、多くの来場者の注目を集めたのが、AMR(自律走行搬送ロボット)を利用した棚卸自動化のデモンストレーションでした。RFIDリーダー搭載AMRを倉庫内で自律走行させることで、多くの手間が必要な棚卸作業の自動化を実現することがその基本的な考え方。AGV(自動搬送車)と違い、AMRは周辺状況を自動検知するため、ガイドライン(導線)敷設などの手間が不要になる点も注目したいポイントです。

一方、製造現場の課題として挙げられるのは、店頭における商品の売れ行きやサプライチェーン全体の動きが見えない点です。バーコードやRFID、さらには画像・音声の自動認識技術の活用と、データ一元管理の実現は、こうした状況を大きく変えることが期待されています。

  • 物流倉庫向けRFIDシステム
    物流倉庫向けRFIDシステム
  • 自動棚卸システム(参考出品)
    自動棚卸システム(参考出品)

ブースで上映されたコンセプト紹介動画では、関連する各種データを東芝テックのクラウドプラットフォームで統合。データを可視化し、サプライチェーンの各シーンで活用する未来像を提示。クラウドマイクロサービスなどを通し、サプライチェーン全体の生産性向上、データ可視化に取り組んでいく姿勢が強く打ち出されました。

コロナ禍での大規模展示会ということもあり、受付・名刺交換の廃止やバーコードによる資料送付先情報収集など、ソーシャルディスタンス確保に向けた取り組みが図られたことも今回の特徴でした。また東京ビッグサイトと品川インターシティの東芝テックショールームをリモートで結ぶ取り組みも今回初めて行われ、製造・物流の荷札ラベル、店舗の棚札など多様な用途に利用できる小型ラベルプリンタBV410Dなどの紹介が行われました。

  • 棚卸のスキャンはUF-3000でおこなっている
    棚卸のスキャンはUF-3000でおこなっている

TEC 01 SIGHT SHOWROOMとのリモート接続でより多くのソリューションを紹介

今回の自動認識展の会場で紹介できなかった東芝テックの多彩なソリューションは、品川にある「TEC 01SIGHT SHOWROOM」とリモートで結び紹介しました。

  • カートインサッカー台
  • ハンドスキャナーフィット2